ライター業

【本】小川糸が描く代書屋の物語「ツバキ文具店」

おはようございます! よつばくまです。
図書館で借りて読んだ本が、どこかwebライターに繋がるなあと思ったのでご紹介。

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「かたつむり食堂」の小川糸が描く代書屋の物語「ツバキ文具店」

王様のブランチの書籍コーナーで特集されていました。

そのとき図書館で即予約して、ようやく借りられたのです。本は無尽蔵に増やせるほどお金もスペースもないので、たいがいまずは借りて読んでみることにしています。

鎌倉を舞台にした、文具店で代書屋を営む鳩子と、周りの人、お客さんを巡る物語です。

代書屋、というものがわからない人もいますよね。お客さんの代わりにものを書いてあげる仕事です。
単純に代筆というわけではありません。ざっくりしたお客さんの要望を文章という形にまとめて、書き上げる。そのような場合も多々あるのです。

「金の無心にくる奴に、断りの手紙を書いてくれ」
「高齢の母親が、もう死んだ父からくる手紙を待っている。代わりに書いて欲しい」

……など。

鳩子は、依頼を受けるたびに、客や手紙の宛先の人のことを尋ね、イメージを膨らませていきます。
そして、ペン1本、インク、便せん、切手にまで1つ1つこだわりを持って手紙を作る仕事にあたるのです。

他人が書いたものを、あたかも客が書いたものとして出す。
それは詐欺ではないか。昔の鳩子は先代である祖母にたてつきます。

そのとき、祖母は「代書屋は黒子だ」と話すのです。

「その人が抱えていて、けれども言葉に表せない気持ちを、適した言葉に表して差し上げるのが、自分たちの仕事だ」と。(意訳)

この部分が、ライター業に通ずるな、と思ったのです。

クライアントの意向を読み取って、求められている形にまとめて、出す。

記名記事の場合もありますが、無記名の場合は、その文章がライター個人で書いたものだというしるしは残りません。

記名記事だとしても、個人の主張をしていいですよ、という内容でない限り、やはりクライアントの要求に応えたものを仕上げるのが、ライターの仕事です。(要求を満たし、プラスアルファが最上ですよね)

ライターも、黒子だな、と感じたのです。

「かたつむり食堂」は母と娘の物語でしたが、「ツバキ文具店」は祖母と孫娘の物語が核となっています。
読んだあと、私は久しぶりに手紙を書きたくなりました。

…とりあえず、まずは年賀状の用意をします。

Have a nice day!