どうも、よつばくま(@yotsubakuma)です。

綿矢りさの「手のひらの京」を読みました。綿矢作品は久しぶりだったのですが、「いいなあ」と思ったので、書き残しておきます。


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■目次
京都に住む、個性の異なる3姉妹の物語

今後に悩めるアラサー女子:長女・綾香

一本気さが魅力:次女・羽衣

ここではない、どこかへ:三女・凛

「自分で選んだ道」だから後悔しないわけじゃない。でも道は自分で決めたい




京都に住む、個性の異なる3姉妹の物語


「手のひらの京」は、タイトル通り京都を舞台にした作品。20~30代の3姉妹と、その家族の物語です。


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装丁も素敵。


京都の地名が出てきますし、京都弁で語られますけれど、京都に縁もゆかりもない人も楽しめる小説です。土地柄などは関係なく、女性であれば「わかる……」と思える悩みや葛藤があるのではないかな。

3姉妹の母親は父親の定年退職に合わせて「主婦を退職」してしまい、趣味に明け暮れる日々。3姉妹はそれぞれのフィールドで生活を送っています。父親は穏やかで、亭主関白な感じではなく、女系家族だなあといった雰囲気です。(あれ、でもわたしの家も女系家族だけど、父親絶対的だったな……)

今後に悩めるアラサー女子:長女・綾香


長女・綾香は31歳の図書館職員。実家住まいの独身で、彼氏もいません。

結婚願望はあり、現状に悶々としながらも日々仕事と自宅の往復をして生活を送っています。目立った性格をしているわけでもなく、淡々と過ごしていく姿は地味かもしれないけれど、「丁寧な生活」に近いところにいるように感じて魅力的。

結婚をしたい気持ちを抱えながらも、積極的に婚活に勤しむわけでもなく。かといってキャリアウーマン志向なわけでもない綾香のような女性は、実際に今の時代にも多いのだろうなあと感じました。

一本気さが魅力:次女・羽衣


3姉妹の中でも個性が際立つ存在なのが次女の羽衣。容姿に自信を持っている恋愛体質の社会人。

恋愛に関する価値観や意見は時にぶっ飛んでいたりもするように思えるし、恋愛体質のあまりマジメな人に見えないだろうなあということも多いです。

でも、実は非常にクレバーな女性だと思う。同年代の女性の中でも、正直「あまり考えていない」人がいたら、そういう人のことをじっと観察していて、すべて見抜いていそうな感じ。(それでいて、表面上ではそういう「キャイキャイ」したノリにも合わせられる器用さも持っている)

女性ならではの陰湿な物事への筋の通し方も、不器用かもしれないけれど格好いい。ここまで突き抜けることはできない女性は多いと思う。

こんな友人がいたらいいだろうなあ。

ここではない、どこかへ:三女・凛


三女・凛はまだ学生。就職が目下の課題です。京都という土地に住み続けることに何の疑問も抱かない両親や姉たちとは違い、「就職で京都を出たい」と考えています。

わたしは彼女のようにひとつの土地で生まれ育った経験を持っているわけではないのですが、彼女の発言や思いにはとても共感するものがありました。

ここにずっと住み続けたら、私は三十を過ぎても、四十を過ぎても“子ども部屋”にいることになる。飛び出すきっかけは、自分で作るしかない。

世界はもっともっと広いのに、私はなんにも知らないまま小さく守られたところで一生を過ごすのかなと思うと、息がつまりそうになる。


わたしは結婚を機に自動的に外に出ましたが、それ以前から「飛び出したい」と思っていました。許可が下りなかったから実現しなかったけれど、本当は学生時代に独り暮らしをしたかった。(許されず、結果片道2時間半の通学時間をかけて通っていました……)


そして、今でも思うんですよ。今のわたしにとっては「小さく守られたところ」=「家庭」なのですが。

家庭は大事だけれど、そこで守られ続ける自分ではなくて、もっと広い世界を見たい。知りたい。辛いことがあるかもしれないけれど、飛び出していきたい。

そう思っているのです。


「自分で選んだ道」だから後悔しないわけじゃない。でも道は自分で決めたい



最後に、「自分で選んだ道や」というフレーズが出てきます。

自分で選んだ道。わたしもよく自分に言い聞かせています。


  • この人と結婚をすると決めたのはわたし

  • 子どもを産み育てると決めたのはわたし

  • この仕事をしよう、したいと決めたのはわたし

  • あのタイミングで結婚して関東に移り住むことを決めたのはわたし


……などなど。


自己責任論を言いたいわけではないし、自分で選んだ道だからといってすべてを我慢し続けなければいけないわけではないとも思います。

それでも、「誰かに言われたから何となく決めてみた」とか、「世間一般的にはこれが正解だから」とか、そうした「第3者の意見や価値」に影響されて道を選ぶと、その後の心境が全然異なってくるのではないかな。


どういう現状であれ、「あのときのわたしが、わたしなりに考えて決めた道」という前提があれば、「ああ、間違ったなあ」と思ったときの行動や考え方が違ってくると思う。


「でも自分が決めたんだから、がんばらなきゃ」と思えるのも、「いや、間違いだった。軌道修正しよう」と思えるのも、自分自身が考えて選んでいるからじゃないかなあ。







女性の生き方は、現代日本であれば男性よりも自由度が高いようにも思えることがあります。けれども、その一方で窮屈であったり、タイムリミットに迫られたり、選択する責任が押し寄せてくるように感じたりする人や、事柄もあると思う。


それでも、懸命に考えて、選び取っていきたいなあ。


そんなことを思いました。




Have a nice day!