考える

成宮寛貴さん引退のニュースに思う…セクシュアリティ公表の自由

先日、俳優の成宮さんが引退するというニュースがありました。
実際のところ、コカイン報道が黒なのか白なのかという話は今回私にとってはどうでも良くって。(まあ、どうでも良いというのは言い過ぎというか、乱暴な言い方ですが)

セクシュアリティの報道の方に、憤りを覚えました。

隠すことではないけれど、公表するのは個人の自由

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本人の意思がないところで、勝手に公表されてしまうことは論外として、理解あるよーとしている人たちが、「別に隠す必要ないよ」とか、「それでも関係ないよ」とか、フォローの態度を示すことにも、「うーん」と唸りたくなります。

そのフォローは、当人には嬉しいものなのかなあ。公表したくなかったのだから、むしろフォローにすら傷つくのではないかな。触れないでいて欲しいのではないかな。
「いや、こっちの気持ちなんかわかんないだろ」って感じるのではないかな。

確かに、別に隠さなければならないものではないと思います。けれど、公表する方が生きにくくなると感じている人に対して、「言っちゃっても大丈夫だよ」とするのは乱暴ではないかな。
大きなお世話、むしろ迷惑ですらあるのではないでしょうか。

どういう類のものであれ、趣味嗜好を言うか言わないかは個人の自由です。社会全体が、性的マイノリティに関する知識、理解を深めて、カミングアウトしたい人がしやすいものになっていくことは重要です。でも、それと、当事者がカミングアウトするかどうかは別物ではないでしょうか。

芸能人はプライベートすら商売道具にしなくてはならない部分があることは事実でしょうが、その部分をほじくり出すことは、やり過ぎです。
しかも、報道では友人の方が関わっていたそうですよね。ただバレたというだけではなく、裏切りもプラスされての今回の事態だったわけで、本当に気の毒なことです。

私の学生時代の友人で、自分のことをバイだと公言している子がいました。そんな彼女のことを、私も他の友人も、何も特別な人のようには感じませんでした。言われたあとも、言われる前も、何も変わりませんでした。
彼女自身、かなりオープンな子だったため、「カミングアウトした」というような気負いもなく、ただの会話の一環として話しただけのようだったことも大きかったのでしょう。

でも、だからと言って、私たちが他の子に、「あの子今女の子と付き合ってるんだよ」などのようなことは言いませんでした。
……いや、当たり前なんですけど。

私たちがLGBTについて偏見がない、周りにも偏見があってはいけないと思っている、彼女は恐らく公表することに頓着がないタイプである。
たとえそうだとしても、第三者が勝手に言うべきことではありません。

誰かが話してきてくれたとして、だからそれがイコール他の人も知っている、知らせていい。にはならないのです。
その線引きは、当事者本人が決めることなのですから。

LGBTという言葉が広まり、存在が認知されていくことは良い面もあるのでしょうが、当事者からしたらまだまだイヤな面もあるのではないでしょうか。
むしろ、日の目を浴びたくなかった、という人もいるかもしれませんよね。どのように感じ、どのように生きていきたいのかは人それぞれなのだから。

Have a nice day!