どうも、よつばくま(@yotsubakuma)です。
突然ですが、あなたはあなたの人生を生きていますか?また、大切な誰かの人生に、知らず知らず干渉しようとしてしまったことはありますか?
人生は、時として旅に例えられます。ひとつとして同じ旅はありません。同じ道を歩いていたはずなのに、気がつけば分かれ道を右と左に違っていたなんてことは珍しくない話だし、離れていく相手を見送らざるを得ない状況に立たされることだってあるでしょう。
自分の足で立ち、自分の思う道を行く。
大切な誰かが歩もうとしているその道を、気持ちよく応援しあえる関係性は、しなやかで強い。そんな思いでいっぱいになったのが、ディズニー映画「シュガーラッシュ・オンライン」です。
自分の身に置き換えてしまうがために、感情が入り乱れすぎて苦しくなってしまったほど。自分にいまいち自信が持てずに、誰かから向けられる好意で立っている。そんな人に観てもらいたい映画です。
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「シュガーラッシュ・オンライン」ってこんな映画
「シュガーラッシュ・オンライン」は、2012年に公開された「シュガーラッシュ」の続編映画です。前作と同様、主人公はラルフとヴァネロペのふたり。シュガーラッシュはゲームの名前で、ふたりはゲームのキャラクター。前作はゲームの裏側を描いた作品です。
……ただ、「シュガーラッシュ・オンライン」は、前作を観ていなくても楽しめます。わたし自身、前作を観ずに今作を観ましたが、ストーリーについていくのに苦労することはありませんでした。
今回は、ラルフとヴァネロペが暮らすゲーム「シュガーラッシュ」がなくなってしまうかもしれない危機から物語がはじまります。ゲームで使うハンドルが壊れてしまったのが危機の理由です。
すでにハンドルの販売は終了。修理もできないハンドルを求めてふたりが飛び込んだのが、「インターネットの世界」でした。
広大なインターネットの世界は、色とりどりでにぎやか。「Amazon」や「Google」、「楽天」など、現実のインターネットで見られるロゴがたくさん見えます。予告を見て「おもしろそう」と思ったシーンです。
インターネットの世界に降り立ったラルフとヴァネロペがはじめに尋ねたのが、検索サイト「ノウズモア」(博士のような見た目)。ラルフが言葉を発すると、立て続けに検索予想キーワードを発してくるのがリアルな検索風景で楽しい。
ノウズモアに「ここにある」と教わりふたりが向かったのは、日本でいうところの「ヤフオク」で……。
オークションを知らないラルフとヴァネロペがどうなってしまったのか。無事にハンドルを手に入れてシュガーラッシュに帰れるのか。
ラルフとヴァネロペはもちろん、インターネットにいるさまざまなキャラクターも魅力的な作品でした。
今いる場所が明日もベストかどうかなんて、明日が来てみなければわからないんだ
ハンドルを求めてインターネットの世界を冒険するうちに、ヴァネロペとラルフの道が少しずつ離れていきます。
ラルフはヴァネロペが大好き。そして、シュガーラッシュの世界が好きで、一刻も早く戻りたい。
一方のヴァネロペも、ラルフが大好き。でも、インターネットの世界に惹かれはじめ、シュガーラッシュに戻りたい気持ちよりも「ここにいたい」気持ちが上回りはじめます。
長い間一緒にいたラルフ。シュガーラッシュを救おうとがんばってくれているラルフ。そして、目的を果たしたら帰りたいと思っているラルフ。この気持ちがわかるからこそ、ヴァネロペは自分の気持ちを言い出せないんですね。
これまで最適だと思っていた場所が、ほかの場所を知ることで、1番ではなくなる。現実世界でも多く起きることです。
子どもは無限の選択肢をもっていて、大人になるとその選択肢の数は少なくなります。取捨選択をして大人になるからです。だけど、一方で成長するにしたがって世界はどんどん広くなる。それは進級するときに変わるクラスだったり、進学した先の新しい学校であったり。親になることで広がる世界もあるし、働くことで広がる世界もあります。
昨日知っていた世界が、今日も変わらず自分にとってベストかどうかはわからない。
飛び出した先の場所の方がより好きになるかもしれない。
気持ちにも価値観にも「絶対」や「永遠」なんてものはないのです。
飛び出して行きたくなった気持ちと、大切な誰かに向ける気持ちは両立する
刺激的なインターネットの世界に惹かれるヴァネロペ。その姿に、ラルフは強く不安感と寂しさを抱きます。
離れるのが不安。ずっと一緒にいたい。
この気持ちにも覚えがあったし、知ってしまった新しい世界に飛び込んでいきたい気持ちにも覚えがありました。
ラルフとヴァネロペは友達ですが、カップルや夫婦、そして親子関係で置き換えて胸に響く人が多いはず。
特に、ラルフの場合、自分の価値を自分で認められていないんですよね。他人からの悪評に左右されやすく、だけどヴァネロペが好いていてさえくれればいいと思っている。
ラルフの好意には依存が入っているのです。
たとえば。
専業主婦だった妻が働き出して外の世界を知り始めたことを契機に、夫が嫉妬したり不安になったりする、とか。
子どもが巣立とうとしているのに、幼かった頃の意識から抜け出せず、干渉し続けてしまう親、とか。
離れていってしまう不安感から、ラルフはとあることをしてしまいます。果たして、それは大切な人に対して起こしていい行動だったのでしょうか。
客観的に、「ラルフないわー」「やばいわー」と思う人も多いでしょうが、ラルフのような感情に苦しんだことがある人も多いでしょう。
さて、ラルフとヴァネロペの関係性はどうなってしまうのでしょうか。
あなたが最後に帰ってこられる場所でありたいし、そんな場所がほしい
家族でも友達でも、大切な誰かがいる場所は、最後に帰ってこられる場所であってほしい。そして、わたしもそんな場所のひとつでありたい。
「帰ってこられる」のは、物理的な意味だけではなくて。むしろ、物理的なものよりも感情的に帰れる場所の方が、生きていくうえで大切な気がします。
たとえ会えなくても、連絡を取り合うだけでほっとできる。よし、またがんばろうと思える。そうした関係性は、明日を生きる力になるから。
体重をかけて寄りかかるのではなくて、自分の足で立って歩きたい。だけど、弱ったときにはちょっと頭だけ肩に預けさせてもらえる、預けることができるバランス。
そうした関係性の方が長続きするのではないかな。
すったもんだしている我が家の夫婦関係はさておき(わたしがヴァネロペ側)、親子関係は親がラルフ側です。子どもを手元に置いておこうとせずに、見送り見守れる親でありたい。そう思いました。
目指す道や好むものが変わること=友情の終わりではない
「ライフステージが変わると友達でいられなくなる」という言葉。本当によく見聞きするんですが、わたしは好きな友達ならライフステージの変化が疎遠になる決定打にはならないと思っていて。
もちろん、環境が変われば見えるものが変わり、見えるものに伴って価値観も変わるでしょう。だけど、そういうものはさておいても好きな友達は好きだし、応援したい気持ちは本物なんですよね。
どんどん変わっていくことが成長と捉えられる世界です。変化を求めないことはダメなことだとされる言葉も見聞きします。
確かに成長は変化でしょう。だけど、変化の方向やペースが一致することだけが友達の条件ではない。むしろ、違っているからこそ刺激になり得る関係性だってあるのではないでしょうか。
たくさん出てくるディズニーキャラも楽しい
ストーリーはこのあたりで置いておき、作品として「シュガーラッシュ・オンライン」で楽しめるのは、「ディズニーキャラがたくさん出てくる」こと。
何しろインターネットの世界なので、ディズニーサイトもあるわけですよね。そこでは予告でも印象的だった大集合したプリンセスから、トイストーリーのバズやベイマックス、スターウォーズのキャラクターまで、いろんな作品のキャラクターが出てくるのです。
これは子どもも盛り上がりますよ。プリンセス大集合は女の子にはたまらないのでは。
ひらひらドレスを身につけて、王子様に助けてもらうことで生きていける(と思われている)プリンセスたちとヴァネロペとの会話が痛快でした。
割と行動的なプリンセスが増えてきたなあとは思っていますが、それでもいわゆる「お姫さま」ばかりだなあ、とか。(個人的にエルサはプリンセスプリンセスしていないと思っています)
なお、今作でわたしが惹かれまくった女性キャラクターは、ヴァネロペが出会うシャンクでした。少女漫画脳ではあるんですが、昔から戦える女の子にも惹かれていることにも気づく……。(セーラームーン世代)
「シュガーラッシュ・オンライン」は親子で観る映画としてもおすすめ
今回、はじめて小1・年中の息子たちを映画館に連れて行きました。学童で映画を観たことがある長男はさておき、初映画館だった次男はちょっぴり心配していたんですが、無事最後まで観られました。
大人のわたしとは違う視点で楽しんだんだろうなあ。体験した感情を蓄積し、栄養にしていってもらえたらいい。わたしがそうしてもらったように。
Have a nice day!